KTTK111のオフ活動のお知らせや短編置場、時々雑談。
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ひまわり、教科書、バレーボール。
間違いか、はたまた他の意図があってことか。
月島から写メが届く。
文面はなく、ただ写真だけが添付されている。
自分がそれをしたときは、頑なに返信を寄越さなかったくせに、なんなのだろう。
写真のどこかに答えは隠されていないかと、注意深く見てはみるものの、きっとなにもない。
この写真はなんだ?と問うのは簡単だった。
ただ、答えは返ってこないだろう。
結局、その問いかけすらも宙ぶらりんに浮かんで、消えずに残る。
(元気そうで良かった)
便りがないのは元気な証拠というけれど、この現代社会でメールの返信ひとつないのは、どうかと思う。
天邪鬼気味であることはわかっているが、それでも、返事が欲しい時だってあるのだ。
一方通行はつまらない。
ひまわりの写真を眺めて、それから、校内でひまわりを探そうと裏庭から校庭から、昼休みを潰して歩き回った。
さすがにひまわりは見つからなかったが、かわりに花壇に咲く黄色の小さな花を見つけた。
花の名前はわからなかったが、ひまわりみたいな鮮やかな黄色がきれいだと思った。
その花を携帯電話で撮って、そのまま月島にメールを送る。
ちょうど、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。
放課後、教科書を机に片付けている時に、ふと思い出して、写真を撮る。
届いた教科書は数Ⅰだったのを懐かしく思ったのだが、現実は厳しい。
教師の言葉が時々呪文のように聞こえるから、振り落とされないようにしなければならない。
春高を目指すと最初から決めていたが、その想いが強くなったのは、GWの遠征を終えた後だ。
いままで、伝承のようなものだったゴミ捨て場の決戦がいきなり現実になった。
自分にとっては最初で最後のチャンスを逃したくなかった。
もっともそこで得られたものは、それだけじゃなかったのだけれど。
猫と呼ばれる自分たちよりも余程猫っぽい。
なかなか懐かないが、手を伸ばせば距離をはかりつつ、近寄ってくる。
学校の敷地に住み着いている野良猫そのものだ。
(近ければもっと別の方法もあるんだろうけど)
東京と宮城。
距離は約350km。
もっと離れているに違いない。
ただでさえ、遠く離れているというのに、メールのやりとりすらままならないのだから、野良猫以上に厄介だった。
それでも。
なんとなく思いついて送った写真攻撃は、功を奏したらしい。
返信があるだけありがたいと思ってしまうのだから、どうにも本気になりつつあるようだ。
気が付けば、こうして月島のことばかり考えてしまう時点で相当のめり込んでいるのは間違いない。
冷静に自己分析しつつ、黒尾は部室に向かった。
練習の終わり。
思い出したように黒尾はバレーボールの写真を撮った。
きっと、これが正解なのだろう。
帰り道、その写真をメールで送って、空を見上げた。
先日まで細く欠けていた月は、いつの間にかまんまるになっていた。
きっと、同じ空を見ている。
離れていても、それがわかるだけで、嬉しかった。
間違いか、はたまた他の意図があってことか。
月島から写メが届く。
文面はなく、ただ写真だけが添付されている。
自分がそれをしたときは、頑なに返信を寄越さなかったくせに、なんなのだろう。
写真のどこかに答えは隠されていないかと、注意深く見てはみるものの、きっとなにもない。
この写真はなんだ?と問うのは簡単だった。
ただ、答えは返ってこないだろう。
結局、その問いかけすらも宙ぶらりんに浮かんで、消えずに残る。
(元気そうで良かった)
便りがないのは元気な証拠というけれど、この現代社会でメールの返信ひとつないのは、どうかと思う。
天邪鬼気味であることはわかっているが、それでも、返事が欲しい時だってあるのだ。
一方通行はつまらない。
ひまわりの写真を眺めて、それから、校内でひまわりを探そうと裏庭から校庭から、昼休みを潰して歩き回った。
さすがにひまわりは見つからなかったが、かわりに花壇に咲く黄色の小さな花を見つけた。
花の名前はわからなかったが、ひまわりみたいな鮮やかな黄色がきれいだと思った。
その花を携帯電話で撮って、そのまま月島にメールを送る。
ちょうど、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。
放課後、教科書を机に片付けている時に、ふと思い出して、写真を撮る。
届いた教科書は数Ⅰだったのを懐かしく思ったのだが、現実は厳しい。
教師の言葉が時々呪文のように聞こえるから、振り落とされないようにしなければならない。
春高を目指すと最初から決めていたが、その想いが強くなったのは、GWの遠征を終えた後だ。
いままで、伝承のようなものだったゴミ捨て場の決戦がいきなり現実になった。
自分にとっては最初で最後のチャンスを逃したくなかった。
もっともそこで得られたものは、それだけじゃなかったのだけれど。
猫と呼ばれる自分たちよりも余程猫っぽい。
なかなか懐かないが、手を伸ばせば距離をはかりつつ、近寄ってくる。
学校の敷地に住み着いている野良猫そのものだ。
(近ければもっと別の方法もあるんだろうけど)
東京と宮城。
距離は約350km。
もっと離れているに違いない。
ただでさえ、遠く離れているというのに、メールのやりとりすらままならないのだから、野良猫以上に厄介だった。
それでも。
なんとなく思いついて送った写真攻撃は、功を奏したらしい。
返信があるだけありがたいと思ってしまうのだから、どうにも本気になりつつあるようだ。
気が付けば、こうして月島のことばかり考えてしまう時点で相当のめり込んでいるのは間違いない。
冷静に自己分析しつつ、黒尾は部室に向かった。
練習の終わり。
思い出したように黒尾はバレーボールの写真を撮った。
きっと、これが正解なのだろう。
帰り道、その写真をメールで送って、空を見上げた。
先日まで細く欠けていた月は、いつの間にかまんまるになっていた。
きっと、同じ空を見ている。
離れていても、それがわかるだけで、嬉しかった。
初出 2014-07-17 00:18:26 プライベッター
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